海上保安庁YS-11見学ルポ


2002年12月に海上保安庁のYS-11を見学させていただく機会に恵まれ、羽田の海上保安庁羽田航空基地にお邪魔し、YS-11を含めた同庁羽田航空基地の航空機を全て見せてもらいました。ここでは主にYS-11の見学について、写真を中心にして紹介します。

海上保安庁は、国土交通省に所属する省庁の1つで、海の警察、消防業務と、測量や海図の作成、航路標識の建設や運用など、海に関係している国の業務を一手に担っています。その中で、航空機の役割は様々で、同庁のホームページによると、「海上における治安の維持、海上交通の安全確保、海難救助、海上災害の防止、海洋汚染の監視取締りなどに従事」とあります。



ファルコン900(現在は那覇航空基地に移動)

サーブ340B+(現在は関空基地に移動)

まずは格納庫の中に入っていたファルコン900型機とサーブ340B+型機の見学からです。それぞれ2機ずつが格納庫に入れられており、ファルコン900型機は海上保安庁としては初めてのジェット機の哨戒機としての導入だったそうです。

サーブ340B+は、日本エアコミューターで導入前の実機訓練をした話などを聞き、内部も見学させてもらいました。

ファルコン900、サーブ340のあと、ヘリコプターのベル212の見学をさせてもらい、いよいよYS-11へと案内してもらいます。



羽田航空基地は「ブルーイレブン」の愛称

YS-11(JA8701)

海上保安庁では全部で5機のYS-11を保有しており、うち2機(JA8701、JA8702)がここ羽田基地に、千歳基地に1機(JA8782)、そして那覇基地に2機(JA8780、JA8791)所属しているそうです。羽田航空基地の機体は「ブルーイレブン」の愛称がつけられており、千歳基地の機体には「おじろ」、那覇基地は「しゅれい1号」「しゅれい2号」と基地によって愛称が違うようです。

海上保安庁のYS-11は、特殊用途機材になるため、様々な特殊装備が備えられています。最も特徴的なのは、機体後部に取り付けられた哨戒用の大型窓でしょう。ドーム型になった窓は、哨戒機として海難救助などでフライトする際に、上空から見やすくするための構造になっています。ファルコン900、サーブ340B+の哨戒窓と比較してみてください。海上保安庁の方のお話では、YS-11のこのタイプの哨戒窓の方が見やすい、とのことでした。



ファルコン900の哨戒窓

YS-11の哨戒窓




旅客機で飛んでいるYS-11と同じように、ドアを開けてもらって機内に入らせてもらいます。当然哨戒機ですので、機内にシートはほとんどありません。機内の中ほどに、海上保安官の方々が移動するときに座る席が数席あるだけです。

機体の後方には、哨戒用の窓もそうですが、物資や救助用ロープなどが投下できる扉がついており、飛行中に扉を開けて物資の投下をすることもあるそうです。もちろん、この扉を飛行中に開けると、すごい風圧で風が入ってくるそうで、命がけの仕事なのだな、と思いました。



数少ないシートの1つ

物資投下用のドア




コックピットの様子

YS-11の製造パネル

最後にコックピットを見学させてもらいました。実はYS-11のコックピットを見せてもらったのはこの時が初めてで、結構狭いのに驚きました。コックピット後ろに製造パネルがある、というので見せてもらいました。JA8701号機は、1969年1月18日製造の現在36歳。まだまだ元気に飛んでいる姿を羽田で時折目にすることができるはずです。

海上保安庁羽田航空基地では、すでに哨戒機としての任務はファルコン900とサーブ340B+に担当させているそうで、YS-11は南鳥島の灯台への物資輸送などの用途で主に使われているとのこと。やはり哨戒機として使うには速度が遅く、迅速な任務を要求される分、YS-11では速度が足りない、とのことでした。

取材協力:海上保安庁羽田航空基地



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