JN/JAC3807便 鹿児島→沖永良部
鹿児島発ラストフライト


正直、この便の予約は取れると思っていなかった。7月16日の「お帰り確約」作戦でもダメ、30日の正規発売でもダメ。結局往復キャンセル待ちにしておいたのだが、搭乗1週間前になって、「お席がご用意できました」とメールが届いた。これほどびっくりしたメールも少ないが、なぜか往復セットで予約OKになったのである。
こうなったら飛ぶしかない。往復割引で5万円近い運賃を支払い、鹿児島〜福岡の往復のあと沖永良部往復という行程で、1日YS-11に乗り続けることになったのである。


バスでターミナルへと戻り、11番ゲートから出発ロビーへ。ここで旧知の航空ファンの皆さんと合流。3807便で沖永良部に行くのがYS-11の搭乗ラストになる人、我々のように往復搭乗する人、福岡から到着してそのままお見送りだけの人、様々な人が出発ゲートになる12番に集っている。幸い、離島路線の11番、12番ゲート付近には、待合室のような風情を持つ畳敷きの椅子もあり、窮屈さは感じない。
程なくしてJA8768が3967便として福岡から到着。20分ほどディレイしており、ここで本来3807便に使用される機材がJA8768から、先ほど我々が乗ってきたJA8766に変更になったことが知らされた。私にしてみれば、JA8768は「離島路線に絶対使われない」機材。最後までこのジンクスが守られてしまったことになる。JA8766で沖永良部に行くのは、これで2度目である。
福岡からの最終便の搭乗客も11、12番ゲート付近に集結。結構ごったがえしてはいるが、パニック状態ではない。程なくしてJAC3807便、沖永良部行きの搭乗開始。ゲートを通過し、バスへと乗り込んだ。

12番ゲートの表示に特別なものはなかった




JA8766に搭乗。タラップ脇に青木カメラマンの姿が。
13時30分ごろより搭乗開始。バスで17番スポットに送り込まれる。バスを降りたところで写真撮影しつつ、本村機長に声をかける人、青木勝カメラマンに声をかける人など様々。鹿児島からのフライトは、バスでぎりぎりにつけられてしまうので、あまり撮影には向かないが、それでも大半の乗客が撮影していた。
搭乗完了したようで、13時40分にドアクローズ。13時42分、第2エンジンスタート、13時43分、第1エンジンスタート。機内アナウンスが入れられる。本村機長、広瀬機長のダブルキャプテンで、本村機長がPIC。この2人、JAC・YS-11の「トップパイロット」2名ではなかろうか。2万時間を越えるベテランパイロットと、査察機長のコンビは、おそらく最初で最後の「夢の競演」。もちろん、PICはYS-11で定年を迎える本村機長が往復務めることになるようだ。一方、客室乗務員は東村マネージャー、仮屋マネージャーの2名。共にJACの客室乗務員1期生で、東村さんが往復先任デューティーらしい。こんな豪華なフライトは、おそらく後にも先にも二度とないであろう。



13時44分、タキシーアウト。エマージェンシーデモが始まる。仮屋マネージャーのデモ姿なんて、おそらくもう二度と見られないのではないだろうか(^_^;)。RW34に向かってタキシーダウンを続ける。13時46分撮影に関しての注意が入る。機内後方で執拗に写真撮影を続けたマニアを見たことがあるが、それに対する苦情があったに違いない。最近のフライトは全てそのアナウンスが入っている。13時48分、RW34の手前でホールド。JALのMD-81が着陸すると、RW34に入った。13時50分、離陸許可が出された。これが商業飛行として最後の鹿児島離陸である。13時51分、RW34を27秒滑走し離陸。鹿児島発YS-11のラストフライトが始まった。

ルートマップのサービス中




マスコミの取材
右旋回の後南下、13時58分に桜島の右手を通過し、14時01分に鹿児島市街上空を通過。鹿児島の友人Aさんによると、谷山あたりを通過するらしい。14時07分、開聞岳付近を通過し、14時11分、シートベルトサインがオフになった。ルートマップの配布が行われ、その間にテレビクルーによる撮影が始まる。今回は2組のテレビクルーが乗り込んでいる。
14時19分に硫黄島付近を通過。順調に南下するフライトが続いている。ドリンクサービスが始まり、オレンジジュースとアイスコーヒーのチョイスでドリンクが配られた。14時38分、本村キャプテンからのキャプテンアナウンス。誰もが知っている本村キャプテンだが、「JAC鹿児島乗員室1期生の本村でございます」と言う自己紹介から始まり、YS-11の関係者、JAC全社員に代わってYS-11のご愛顧御礼、続いてラストフライトに当たって過去の思い出が走馬灯のようにぐるぐる回っており、何を話そうか考えている、と言ってキャプテンアナウンスが始まった。



本来は12000ftで飛行する予定だったが、気流が安定しないとのことで10000ftで巡航していることが説明された後、YS-11についての話、前日のNHKの放映の「純国産ジェット機」の話、そして本村機長本人の飛行時間の話(23260時間、うち16000時間がYS-11)、ここまでですでに10分近く話し、さらに「続けるかどうか乗客の皆さんの拍手で決める」となる。乗客の大半から拍手を受け、本村機長のスピーチは絶好調、いや舌好調(^_^;)。ちょうど今飛んでいるあたりでYS-11に落雷し、とりあえず計器などは大丈夫だったので、そのまま沖永良部まで飛行。ところが地上で確認したら、左のプロペラが真っ黒にこげ、翼のラバー部分が溶けるという状態になっていたとか。JAC本社の判断は、「フェリーなら大丈夫」となり、当初はCAも含めて4名で、という予定だったのが、CAはサーブで帰すことになり、結局本村機長とコパイさんの2人だけで鹿児島に向かった話が披露された。
まもなく降下開始になるとのことで、14時時点の沖永良部の気象状況は晴れ、風は東向きに6m、気温は30℃とのこと。あと30分ほどのフライトをお楽しみ下さい、とアナウンスされて終了。18分に渡る大スピーチであった。

トカラ列島の上空を通過して奄美大島、徳之島と通過する




ドリンクサービス中。長距離便ならでは。
この間、報道陣がマイクでキャプテンアナウンスを集音し、ドリンクサービスに出てきた仮屋さんがサービスできないという一幕もあった。この辺りラストフライトだから仕方がないのかもしれないが、機内サービスを妨害するような取材は慎むべきである。いくらマスコミで、多数の人に報道する意義があると言えど。
15時00分から搭乗証明書の配布。鹿児島発最終便なのに、サインはなく白紙のカードだった。客室乗務員にサインを求める人も少ないようだ。15時08分、シートベルトサインがONになる。15時14分、徳之島を通過、15時20分、最終着陸態勢に入った。通常の着陸コースではなく、沖永良部島を一周する形での着陸。空港から和泊町の市外をぐるっと一周している。おそらく本村機長の沖永良部島へのお礼の旋回だったのだろう。15時24分、定刻の9分遅れで、沖永良部空港RW04に着陸した。機内は拍手に包まれた。15時26分、スポットイン、エンジンカットとなった。



タラップが出されると降機開始。離島空港では乗り継ぎという発想はないので、一度セキュリティエリア外に出ることになる。タラップを降りると、地元の子供達によるエイサーが披露されていた。降機時に何枚か撮影はしたものの、これも「いまさら」なので、降り返しの準備をすることにした。

沖永良部空港で翼を休めるJA8766




←INDEXに戻る
←ラストフライトインデックスへへ
復路(JAC3806便)へ→





メールを出されるかたはこちら

Copyright 2005-2006 Buero777. All rights reserved.